体の悩み

【助産師監修】妊娠初期の腹痛。原因や対処法は?病院に行くべき?

2019.02.06

AMOMA編集部

妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

妊娠初期にお腹が痛くなると心配になりますよね。妊娠初期の腹痛の原因は、心配のいらない生理的なものから何らかのトラブルであるものまで様々です。

今回は妊娠初期の腹痛の原因や対処法、病院を受診する基準についてご紹介します。

妊娠初期に起きやすい腹痛の原因は?


妊娠初期に起きやすい腹痛の原因として、まずはホルモンバランスの変化による便秘が考えられます。

妊娠初期に多く分泌されるプロゲステロンというホルモンには、腸のぜん動運動を弱める作用があり、便秘になりがちです。

また、つわりで食事や水分がうまくとれない人も便秘になりやすく、腹痛を引き起こすようになります。

また、赤ちゃんの成長と共に子宮が大きくなることで感じる痛みや、周囲の臓器の圧迫、子宮を支える靭帯が引っ張られることでチクチクした痛みや違和感を感じることもあるようです。

これらの腹痛は生理的なものなので、我慢できないほどの痛みでなければ心配はいりません。

腹痛は流産の可能性もある?


妊娠初期の腹痛は、流産の兆候ではないかと不安になることもあるでしょう。

診察をするまでは分かりませんが、下腹部に強い痛みがあったり、出血を伴う場合は流産の兆候である可能性もあるためすぐに病院を受診するようにしましょう。

また、頻繁な下痢による腸のぜん動運動が子宮を刺激して、流産を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。

その他考えられる腹痛を伴うトラブル


妊娠中の身体の変化による腹痛の他にも、腹痛が起こる原因はさまざまで、トラブルが潜んでいる場合もあります。腹痛を伴う主なトラブルは以下のようなものがあります。

食べ過ぎ、消化不良

食べつわりや食生活の乱れが招くことも。

ウイルス性胃腸炎

ノロウイルスやロタウイルスなどが流行する冬場は特に注意が必要。

細菌性胃腸炎

サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、O-157などの病原性大腸菌などに感染して起こる胃腸炎。

過敏性大腸炎

精神的ストレスにより腹痛、下痢、嘔吐を繰り返す疾患。ストレスを上手く発散させて。

子宮外妊娠

正常な部位以外に着床した妊娠。激しい腹痛や出血が伴うことも。

子宮筋腫、卵巣嚢腫などの婦人科系疾患

婦人科系の疾患と妊娠が重なり、腹痛を起こす場合も。

妊娠初期の腹痛の対処法

無理をせず、安静に過ごす

腹痛を感じたらすぐに椅子に座る、横になるなど、まずは安静にしましょう。

腹痛が治まっても、お腹に力が入るような動きや姿勢になることは控えましょう。妊娠中は決して無理をせず、ゆったりとしたペースで過ごすことが大切です。

体を冷やさない

血行不良が腹痛を引き起こすこともあります。少しでも冷えを感じる時には腹巻やルームソックス、ストールなどで身体を温めましょう。特に腹巻は、腹痛のある時にも効果的です。

着ける場合は締めつけないようゆとりのあるものを。素材や着け心地など、自分に合ったものを選びましょう。

痛み止めはむやみに飲まない

妊娠の可能性がある時や妊娠が分かってからは、自己判断で市販の薬をむやみに飲まないようにしましょう。

特に妊娠4〜12週は赤ちゃんの重要な臓器がつくられる頃で、薬の影響が心配な時期でもあります。我慢できないほどの痛みがあるときは病院を受診し、医師の指示に従いましょう。

病院を受診する基準は?


妊娠初期の腹痛は、安静にして痛みが落ち着く一過性のものであれば心配はいりませんが、思わぬトラブルが潜んでいる場合もあるため、我慢をしすぎるのは危険です。

以下のような場合には、病院を受診するようにしましょう。
<早めに受診を>
・排便しても腹痛が治まらない
・下痢が続く

<夜間でも受診を>
・激しい痛みがある
・出血がある


いかがでしたでしょうか。妊娠初期は慎重になりやすく、腹痛が起こるととても心配になるかと思います。

もちろん我慢のしすぎは禁物ですが、予備知識があれば過度な心配をせずに済むのでぜひ参考にしてみてくださいね。

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浅井貴子
■資格・免許
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
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