【助産師監修】2歳の子どもの発達。言葉や成長過程は?
2019.01.18
AMOMA編集部
妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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2歳くらいになると思うように身体を動かせるようになり、盛んに言葉を使うようになります。自己主張をするようになり、「イヤイヤ期」に悩まされるママも少なくありません。
今回は、2歳の子どもの発達についてご紹介します。
2歳のからだの発達
からだの大きさ
幼児期はからだがぐんぐん育ち、骨格や内臓の発育も著しい時期です。2歳児の身長と体重の平均値は以下の通りです。
2歳〜2歳6ヶ月未満
男の子:(身長)86.7cm、(体重)12.03kg
女の子:(身長)85.4cm、(体重)11.39kg
2歳6ヶ月〜3歳未満
男の子:(身長)91.2cm、(体重)13.10kg
女の子:(身長)89.9cm、(体重)12.50kg
歯の発達
多くの場合、3歳になるまでに乳歯の歯列(20本)が完成されるといわれています。
奥歯が生え、咀嚼(そしゃく)機能も発達していくにつれ、食べ物に合った噛み方ができるようになり、それによって顎や消化機能も発達していきます。
乳歯はエナメル質が柔らかく、虫歯になりやすい傾向があります。子どもは自分で上手く磨くことができないので、毎日仕上げ磨きをしっかりしてあげることが大切です。
食事の量
胃の容量は約500mlを超え、大人の1/3〜1/4ほどとなりました。幼児は身体の大きさに対しエネルギーや栄養素の必要量が大きいのですが、胃袋はまだまだ小さく、消化機能も未熟です。
3食の食事での不足分を補うため、また食への関心を高めるためにも、決められた時間(午前と午後1回ずつ程度)に間食を与えると良いでしょう。添加物や人工甘味料が多いものは避けるようにしましょう。
排泄
膀胱や肛門まわりの筋肉が大脳皮質によって制御されるようになり、排泄の予告、自立が徐々にできるようになってきます。
意思表示ができるようになり、トイレやおしっこ、うんちなどの言葉の意味が分かるようになっていれば、トイレトレーニングの準備はできています。
本人のやる気をうまく引き出し、周りと比べずにその子のペースを優先してトイレトレーニングを進めていくようにしましょう。
2歳の動きの発達
手先の動き
2歳〜2歳6ヶ月
積み木を高く積んだあとに横に並べたり、高く積んだあとに低く積むというように、いくつかの異なる動作を順に展開するようになります。
縦線や横線を真似をして書いたり、シールを剥がす、紙を折るといった動作もするようになります。また、ピース(Vサイン)ができるようになります。
2歳6ヶ月〜3歳
積み木を積んだり並べたりして、家や車などを作ろうとします。縦線や横線を組み合わせた十字や丸が書けるようになります。折り紙を二つ折り、四つ折りできるようになります。
全身運動
2歳〜2歳6ヶ月
強い風に向かって歩く、水の中を歩く、障害物をまたぐ、段差から飛び降りるなど、さまざまな抵抗に全身で立ち向かうようになります。
「速い・遅い」、「強い・弱い」、「高い・低い」などの動きを自分で調整したり、言葉に合わせて動いたり止まったりしようとします。
2歳6ヶ月〜3歳
止まって直立ができ、開脚、背伸び、股のぞきなど複雑な姿勢を真似してできるようになります。
左右交互に足を出して階段を上れるようになったり、三輪車にまたがって足で蹴って前に進めるようになります。
2歳の言葉の発達
子どもは物に名前があるということがわかると、しきりと「これは?」「なに?」と指差して質問するようになり、名詞の数が急激に増えていきます。
話せる語彙(ごい)数は、2歳頃で300語前後、2歳6ヶ月頃には500語、3歳ごろには1000語ほどにもなります。
語彙が急増すると、「ワンワン、きた」「おちゃ、ちょうだい」というように動詞を組み合わせて二語文を話し始めます。
年齢とともに内容は複雑化していき、「〜ね」といった語尾や「〜の」といった助詞を組み合わせるようにもなってきます。
人とのコミュニケーションやあそび、さまざまな体験を通して知能や情緒、思考力を養い、徐々に話の内容を理解したり、文法を理解して上手に言葉で伝えられるようになっていきます。
ただ、言葉の発達には個人差がありますので、お子さんの発達のペースにあわせて見守ってあげてくださいね。
2歳のこころの発達
2歳ごろの子どもは、自分でやってみたいという意欲が高まり、自我が芽生え大きく育つ時期です。
「イヤイヤ期」「魔の2歳児」という言葉があるように、「イヤ!」「自分でやる!」と強く自己主張する場面も多くなり、うまくいかないと大声で泣いたり、かんしゃくを起こすこともあります。
この時期の対応に苦労するお母さんも多いかと思いますが、こうした自我の育ちの過程を積極的に受け止めてあげることで、子どもは自分への自信を持つようになります。
また、自分の言動の全てを受け入れてもらえるわけではないということを徐々に理解できるようになっていきます。
2歳のイヤイヤは、「自分の気持ちを分かってもらえない」ことで感情的になってしまうことも多いようです。
「イヤ!」と言われたら、「イヤだったんだね」とまずは気持ちを受け止めてあげましょう。
しかし、泣いているからと、だめなことや無理な要求を受け入れてしまうと、「泣けば言うことを聞いてもらえる」と間違った学習をしてしまいます。
気持ちを受け止めてあげた上で、行動は譲らないことが大切です。イヤイヤ期の子どもにはつい振り回されがちですが、主導権を渡してしまわないようにしましょう。
いかがでしたでしょうか。心身ともに大きく成長する2歳の子どもたち。
紹介した内容はもちろん全ての子に当てはまることではありませんので、周りと比べないで子どものペースを見守り、寄り添ってあげてくださいね。
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看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
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