【助産師監修】妊娠32週目(妊娠9ヶ月)のママと赤ちゃんの様子
2018.11.13
Keiko Sakai
Mama writer
2016年7月生まれの男の子のママです。息子の笑顔がパワーの源!!色んな日があるけれど『毎日笑顔で』をモットーに、大好きなヨガを楽しみながら日々の育児も楽しんでいます。息子の成長を見守りながら、私自身も日々成長していきたいと思います♪
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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妊娠32週目は妊娠9ヶ月の1週目にあたります。いよいよ臨月まであと1ヶ月という時期に突入します。
ママのお腹もさらに大きくなり、階段の上り下りや靴を履くなどの日常生活にも大変さが増してきます。妊娠高血圧症候群や腰痛といったトラブルにもさらに注意が必要な時期でもあります。
そんな妊娠9ヶ月に入ったばかりの妊娠32週目のママと赤ちゃんの様子とはどのようなものなのでしょうか?過ごし方や気をつけるべきことなどを見てみましょう。
妊娠32週目(妊娠9ヶ月)はどんな時期?
羊水の量がピークを迎える
お腹の中で赤ちゃんが成長すると共に大きくなった子宮は胸の下あたりまできます。
妊娠32週目にもなると子宮底長は30cm前後くらいとなり、妊娠9ヶ月の頃が一番お腹の位置も高くなると共に羊水の量がピークを迎えます。
妊娠32週目前後の羊水の量はおよそ800mlとなりこれから徐々に羊水は減り始めます。出産時には300ml~500mlくらいといわれています。
羊水が減ることで子宮の壁と赤ちゃんとの密着度が増して目で見て赤ちゃんの動きが確認できるかもしれません。
逆子を戻すのには難しい時期に突入する
お腹の中で自由に動き回っていた赤ちゃんも徐々に頭が重くなり自然と頭が下がってきます。およそ妊娠28週~31週頃にはほとんどの赤ちゃんが頭を下にした状態(頭位)で過ごすようになります。
しかし、中には妊娠32週目(妊娠9ヶ月)になっても頭が下を向かずに逆子の状態の赤ちゃんも。
妊娠中期には約30~50%が逆子であるともいわれており、逆子と分かれば医師や助産師から逆子体操などの提案がされることでしょう。
しかし、妊娠32週目(妊娠9ヶ月)を過ぎても逆子の状態が続いていると、赤ちゃんの体も大きくなって子宮内を動き回る余裕がなくなり始めるため、逆子を正しい体勢に戻すのが難しくなってしまいます。
逆子は分娩時にリスクを伴うため帝王切開になる事が多いです。その場合は医師からの説明を受けましょう。
妊娠32週目(妊娠9ヶ月)の赤ちゃんの様子
赤ちゃんの大きさ
妊娠32週目(妊娠9ヶ月)の赤ちゃんは身長が40cm~45cm、体重が1500g~2300g程にまで成長しています。
この時期に赤ちゃんはさらに大きくなり、出産予定日までのあと2ヶ月間で一気に体重が増えます。
この頃から羊水が減り始めるため、赤ちゃんは今までのように子宮の中を自由に動き回れなくなり、お腹の中で頭を下にした体勢で過ごすことが多くなります。
羊水が減ることで赤ちゃんのキックやパンチが以前より力強く感じるかもしれません。
皮下脂肪がついてくる
体全体に皮下脂肪がついてきてさらにふっくらとしてきます。体温調節の機能はまだ発達していませんが、赤ちゃんも外の世界に出る準備をしているのかもしれませんね。
肌もうっすらピンク色となり、髪や爪も伸びます。内臓機能も新生児と同じくらい成長しています。
表情が豊かになる
妊娠32週目(妊娠9ヶ月)になると赤ちゃんの表情が豊かになってきます。眩しい光には目をそむけたり、外からの刺激に対して笑ったり泣いたりしているような表情をすることも。
あくびやしゃっくりをしたり指を吸ったりする赤ちゃんの可愛い姿を見ると、もうすぐ産まれてきてくれるのだと、さらに実感が沸くかもしれませんね。
妊娠32週目(妊娠9ヶ月)のママの様子
お腹がさらに張りやすくなる
妊娠9ヶ月にもなると体が出産に向けての準備をし始めるため、1日に何度もお腹の張りを感じる場合があります。
ほとんどの場合が心配のない張りですが、切迫早産のサインというケースもありますので注意が必要です。お腹の張りが規則的にある場合や間隔が短くなってくるようでしたら早めに受診しましょう。
後期つわりに悩まされる
大きくなった子宮が胃や消化器官を圧迫してしまい、少し食べるだけで胃痛や気持ち悪さや胸やけなどの症状がでてくることも。
これは「後期つわり」と呼ばれる症状で、後期つわりに悩まされるママは多いといわれています。
一度にあまりご飯が食べられない場合は、少量を数回に分けて食べるなどの工夫をしてみましょう。そして、食後は楽な姿勢でゆっくり過ごすのがおすすめです。
頻尿、尿漏れ、便秘などに悩まされる
大きくなった子宮は、胃の他にもさまざまな臓器を圧迫してしまいます。多くのママが膀胱を圧迫されることにより頻尿や尿漏れに悩まされることでしょう。
また、腸も圧迫されてしまい便秘になるママもいます。頻尿でトイレに行く回数が増えますが、しっかりと水分補給をすることも大切です。
水分をあまり摂らずにいると便秘が悪化してしまい、痔などのさらなるトラブルを招く可能性があります。
妊娠32週目(妊娠9ヶ月)に気を付けること
妊娠32週目(妊娠9ヶ月)頃になると、今までよりもさらにお腹も大きくなり日常生活にも大変さが増してきます。どのような事に気を付けて過ごせばいいのでしょうか?2つの注意点をご紹介します。
妊娠高血圧症候群
妊娠中に気を付けたいトラブルの一つが妊娠高血圧症候群です。妊娠32週目(妊娠9ヶ月)以降に発症しやすいといわれており、重症化し合併症を起こすと母子共に危険な状態に陥ります。
妊娠32週目(妊娠9ヶ月)よりも早くに発症する場合もあり早い方が重症化しやすい傾向にあります。
主な合併症として母体には脳出血や子癇(しかん)と呼ばれるけいれん、赤ちゃんには胎児発育不全や常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)などがあげられます。
なぜ起こるのかはっきりと分かってはいませんが、もともと高血圧や腎臓病などの持病がある人、肥満、高齢出産の人がなりやすいといわれています。
妊娠中の急激な体重増加も発症を招く危険性があるため、体重が増えやすくなる妊娠9ヶ月以降は今まで以上に急激な体重増加には気を付けましょう。
早産・切迫早産
早産とは妊娠22週0日~36週6日目の間に出産してしまうことをいいます。
妊娠37週目以降が正産期といわれ赤ちゃんがいつ産まれても良い時期となるので、妊娠32週目(妊娠9ヶ月)では赤ちゃんが外の世界に出てくるには十分な準備が整っていません。
赤ちゃんはできるだけこの正産期までママのお腹の中にいることがベストです。早産・切迫早産と診断された場合は入院もしくは自宅にて絶対安静の状態になる場合がほとんどです。
日頃から無理をせずゆっくり休める時は安静にして過ごすのも大切です。
産後の手続きをしましょう
赤ちゃんを出産すると色々な手続きが必要となります。出生届や児童手当の申請、赤ちゃんの健康保険の加入などの手続きは必ず行わなければなりません。
期限内に手続きを行うことはもちろん、提出先なども自治体であったり勤務先であったりと異なるため少し戸惑うかもしれません。
まだ少し時間に余裕のあるこの時期に、必要となる書類や提出期限などをしっかりと確認しておきましょう。
また、ママ自身は産後動くことも大変ですし、あまり時間が確保できない可能性があるので、パパや他の家族ともよく確認し合って産後の手続きをスムーズに行えるようにしておきましょう。
赤ちゃんに会えるまであと少し
いかがでしたか?妊娠32週目(妊娠9ヶ月)のママは後期つわりや頻尿・尿漏れなど、体調の面でも多くの変化が現れやすい時期になります。
つらく感じる日もあるかもしれませんが、それはお腹の中で赤ちゃんがしっかり育ってくれている証拠です。そして、赤ちゃん自身もお腹の中で外の世界に出る準備をしています。
そっとお腹に手を当てて赤ちゃんの存在を感じてみましょう。きっとさらに愛おしさが増してきますよ。
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看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
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