体の悩み

【助産師監修】妊娠30週目(妊娠8ヶ月)のママと赤ちゃんの様子

2018.10.22

AMOMA編集部

妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

妊娠30週目は妊娠8ヶ月の3週目です。赤ちゃんはすくすく成長し、それに伴いお腹もますます大きくなってきたことでしょう。

大きなお腹で足元が見えづらくなることで、足の爪が切りにくい、靴下が履きにくいなど、普段の生活に支障が出てきます。

今回は妊娠30週目(妊娠8ヶ月)のママとお腹の中の赤ちゃんの様子について、ご紹介します。

妊娠30週目(妊娠8ヶ月)のママのからだの様子

お腹がせり出す

妊娠8ヶ月頃になると、赤ちゃんが大きくなることで子宮がますます大きくなり、お腹がぐっと前にせり出すように大きくなります。

この頃の子宮底長は25cm~28cmほどで、子宮のてっぺん(子宮底)はおへそとみぞおちの間くらいまでせり上がってきています。

マイナートラブルが起こりやすくなる

大きくなった子宮が内蔵器官を圧迫し、さまざまなマイナートラブルが起こりやすくなります。頻尿、胃もたれ、食欲不振、動機や息切れなどがその代表的な例です。

また、下腹部や足の付け根に鈍い痛みを感じることもあります。いずれも身体に負担がかかっているサインなので、無理をせずゆっくり休みましょう。

むくみやすくなる

体重の増加と子宮が下大静脈を圧迫することで、手足にむくみが生じやすくなる時期でもあります。

夕方ごろからむくみ始め、翌朝むくみが引いている程度であれば生理的なものなので心配いりません。一日中むくみが続く場合は主治医に相談しましょう。

お腹が張る回数が増える

妊娠30週を過ぎると、お腹が張り、硬くなる回数が増えます。

安静にすれば治まることがほとんどですが、おさまらず規則的な張りが続く、痛みや出血を伴う時は切迫早産の可能性もあります。

いつもの張りと違うと感じる時は、いつから張っているのか・出血があるか・張る時間の間隔・痛む場所・胎動はあるかなどを観察し、早めに受診しましょう。

妊娠30週目(妊娠8ヶ月)の赤ちゃんの様子

赤ちゃんの大きさ

この時期の赤ちゃんの大きさは、身長(頭臀長)約40cm、体重約1500gほどにまで成長しています。足を曲げて抱え込み、重くなった頭を下にしている頭位の姿勢をとることが多くなってきます。

脳や聴覚も発達

脳の機能もどんどん発達しています。聴覚も完成し、外から音の刺激を感じると心拍数が増えるといった反応もみられます。たくさん語りかけてあげましょう。

呼吸様運動をする

赤ちゃんは定期的に横隔膜を上下させて肺をふくらませる呼吸に似た動き(呼吸様運動)をするようになります。赤ちゃん自身も着々と誕生に向けて準備を始めているのです。

この時期に注意すること

妊娠高血圧症候群

妊娠中に高血圧を発症する病気で、妊婦さん約20人に1人の割合で起こるといわれています。

以前は妊娠中毒症と呼ばれていましたが、現在では妊娠高血圧症候群と呼ばれており、日本産科婦人科学会において以下の通り定義されています。

「妊娠20週以降、分娩後12週まで高血圧がみられる場合、または、高血圧に蛋白尿を伴う場合のいずれかで、かつこれらの症状が単なる妊娠の偶発合併症によるものでないもの」

妊娠後期になると、発症のリスクが高まるといわれており、また、妊娠34週未満で発症した場合は重症化しやすく、特に注意が必要です。

塩分を取りすぎないよう食事に気をつけきちんと定期健診を受けましょう。

逆子(骨盤位)

妊娠30週頃のお腹の中の赤ちゃんは、足を抱え込み、頭を下にしている頭位の姿勢でいることが多いのですが、足やおしりを下にした姿勢でいる場合があり、この状態を逆子(骨盤位)と言います。

逆子の状態だと経膣分娩が困難になるため、多くの場合、帝王切開でのお産になります。

しかし、逆子のまま出産を迎えるのは全体の3~5%ほどといわれており、9ヶ月に入ってからでも自然に頭位になることもあるため、早くから心配し過ぎることはありません。

逆子体操や外回転術などを行う産院もある一方、特に治療をせず自然に任せる方針をとるところも少なくありません。担当医とよく相談した上で出産方法を決めるようにしましょう。

この時期の過ごし方

緊急時に備え、入院準備をしておく

出産予定日はまだ先になりますが、早産などの緊急時に備えて入院準備をしておくと安心です。

産院で用意してもらえるもの、自分で用意するべきものを一通りチェックしておきましょう。

赤ちゃんの名前を考えておく

出産後に慌てないよう、妊娠後期に入ったら赤ちゃんの名前の候補を決めておきましょう。万一に備え、男女両方の名前を考えておくとベスト。

また、名付けに使えない漢字が法律で決まっており、出生届が受理されない等のトラブルになることもあります。名付けの本などで十分に調べておきましょう。

ベビー用品や赤ちゃんを迎える部屋の準備をする

産後はバタバタしがちなので、事前にベビー用品は最低限揃えておきたいもの。漏れがないか、今一度チェックしておきましょう。

また、退院後赤ちゃんを迎えるため、部屋の掃除や片付け、家具の配置換えなども始めていきましょう。


いかがでしたでしょうか。赤ちゃんに会えるまであと2ヶ月ほどです。大きなお腹で大変なことも増えてきますが、その分赤ちゃんとの一体感も増してくるものです。

引き続きママとお腹の赤ちゃんのことを第一に、心身ともに無理のない生活をおくるようにしてくださいね。

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浅井貴子
■資格・免許
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
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管理栄養士
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心理カウンセラー
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