赤ちゃんの心と体

【助産師監修】食物アレルギーと離乳食。予防できる?どう対策する?

2017.10.19

Fumiko shibuya

Mama writer

2015年5月生まれの男の子を育児中の三十路ママです。天然でのんびり屋の父ちゃんと、プクプク泣き虫マンの3人家族。食事もお買い物もゆっくりできないけれど、赤ちゃんに振り回される毎日も悪くないと思っています♪

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

離乳食がスタートする赤ちゃんにとって、一番心配なのが食物アレルギーですよね。赤ちゃんの10人に1人はなにかしらの食物アレルギーを持っていると言われています。消化機能が未熟なためアレルギー反応が過剰に出やすく、ダニやハウスダスト、花粉、ペット等のアレルギー症状と間違えやすいので慎重な見極めが必要です。正しい知識で対策をしていきましょう。

食物アレルギーってどんな症状?

よくある症状

アレルギーの原因となる食材を口にしてから2時間以内に症状が出てくるケースでは、赤いブツブツやじんましんが最も多く、次に粘膜が赤く腫れる症状が多く報告されています。赤ちゃんがかゆそうにしていたら、タオルを冷たくしぼるなどして冷やしてあげましょう。
また、咳や呼吸困難、くしゃみ、鼻水、腹痛、嘔吐、下痢なども、皮膚症状より割合が少ないものの、よく見られる症状です。

緊急を要する症状

一番緊急を要するアレルギー症状はアナフィラキシーショックです。特定の食物を食べたときに一気に複数のアレルギー症状が出るのがアナフィラキシーですが、さらに血圧や心機能が低下して意識を失うなど深刻な状態に陥ることをアナフィラキシーショックといいます。

アレルギーは遺伝する?

パパやママが食物アレルギーを持っていても、必ず子どもに遺伝するわけではありません。ただし、アレルギーを起こしやすい体質は遺伝しているかもしれないので、注意してあげてくださいね。

またパパとママに食物アレルギーが一切なくても、子どもに食物アレルギーが出るということも十分ありえます。食物アレルギーは誰にでも起こりうるものなのです。

3大アレルゲンとは?

アレルギーの主な原因となる「鶏卵、乳製品、小麦」を3大アレルゲンと呼びます。乳幼児の食物アレルギーのほとんどは、この3大アレルゲンが原因です。
また、成長するにつれて甲殻類や果物など、その他の食材もアレルギーの原因となってきます。

3大アレルゲンにエビ、カニ、落花生、そばを含めて、7大アレルゲンと呼ばれることもあります。いずれもアナフィラキシーショックを起こしやすい食材なので、初めて与える時は十分注意する必要があります。

アレルギーっ子の離乳食

食物アレルギーの疑いがある子どもの離乳食の進め方について、かつては鶏卵や乳製品などは与える時期を遅らせるという方法がありましたが、現在では推奨されていません。不必要な除去や先送りは、アレルギーを助長することもあると言われています。

他の子どもと同じように5~6ヶ月頃から離乳食を進めていきます。アレルギー症状が出て病院に行く際には、与えた食材や症状についてメモしておくと相談がスムーズにいきます。日頃からこまめに離乳食日記をつけておくとよいでしょう。

≪初めて食べる食材の与え方≫

・症状が出たら病院に駆け込めるように平日の午前中に
・赤ちゃんの体調や機嫌が良いときに
・初めてあげる食材は1種類だけ
・ほんの少量から(小さじ半分)
・鮮度の良いものを良く加熱する

同じ月齢のお友達がどんどん離乳食を進めていると不安になるかもしれません。そこで焦って一気に進めても、赤ちゃんの負担が増すだけ。その子のペースでゆっくり進めてあげてくださいね。

食物アレルギーの予防

子どもの食物アレルギーを予防するために、妊娠中・授乳中に母親が食物除去をすることや、離乳食の開始時期を遅らせることはあまり効果がありません。残念ながら、アレルギーの予防法は確立されていないのが現状です。

しかし現在では、スキンケアがアレルギー予防に有効なのではないかという研究が進んでいます。空気中を舞うホコリにはアレルゲンも含まれています。本来は無害な食品であっても、荒れた肌に触れることで過剰な免疫反応を起こす可能性があります。
保湿等のスキンケアをしっかり行い、子どもの肌を健康に保つことでそのリスクを減らすことができるのです。

食物アレルギーの治療法

まずはアレルゲンの特定をします。詳しく調べてみると、食物が原因ではなく、花粉やホコリ、ダニなどが原因ということもあります。

アレルゲンが特定されると必要最小限の食物除去を始めます。食物アレルギーの数値が出ていても実際に症状が出ない場合や、加熱すれば問題なく食べられる場合は、少しずつ食べさせることもあります。

また実際は、成長と共に消化吸収機能や免疫機能が発達し、3歳を過ぎる頃にはアレルギー症状が落ち着いてくる子どもがほとんどです。

どちらにせよ、独断で食物除去やその他のアレルギー対策をすることは勧められません。食物アレルギーについて気になることがあれば、必ず専門の医師に相談し、インターネット等の情報に振り回されないようにしてくださいね。

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浅井貴子
■資格・免許
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
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