体の悩み

【助産師監修】妊娠後期の吐き気-原因と対策-

2019.02.05

AMOMA編集部

妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

妊娠中期になりつわりが落ち着いたと思っていたら、妊娠後期になりまた吐き気が起こるようになったという方も多いと思います。妊娠後期の吐き気は、胸焼けや胃への圧迫感などがあるのも特徴です。

妊娠後期に起こりやすい吐き気の原因と対策を知ってマタニティトラブルを予防しましょう。

妊娠後期の吐き気の原因

胃への圧迫

子宮の増大による胃への圧迫

妊娠後期になり、子宮が大きくなると胃が圧迫され容積が小さくなることで少し食べただけでも満腹になったり、吐き気が起きたりするようになります。

特に32週以降になると赤ちゃんの成長に伴いお腹が急に大きくなり、胃酸が戻る逆流性食道炎のような臨月つわりという人もいます。

胃の入り口の筋肉が緩くなる

妊娠後期吐き気胃の入口緩み

妊娠中はエストロゲンという女性ホルモンが大量に分泌されていて、エストロゲンは全身の筋肉を緩める働きをします。そのため胃の入り口の筋肉が緩み、食後に胃酸が逆流しやすくなります。

胃酸の逆流が起こると吐き気や胸焼けが起こりやすくなるのです。元々、逆流性食道炎がある人や胃痛を起こしやすい人は消化器症状のトラブルがさらに起こりやすいです。

妊娠高血圧症候群によるもの

妊娠後期吐き気妊娠高血圧症候群

妊娠後期に起こりやすいトラブルに妊娠高血圧症候群があります。妊娠高血圧症候群とは妊娠20週以降、産後12週までに高血圧や浮腫み、蛋白尿の症状が出ることをいいます。

自宅で知らない間に血圧が高い状態が続くと頭痛や吐き気などの症状が出ることがあります。

急に浮腫みが強くなり頭痛が起こるようになってきた、吐き気やダルさがあるなど不調が続く場合は健診を待たずに病院を受診しましょう。

妊娠後期の吐き気の対策

少しずつ食べて回数を増やす

妊娠後期吐き気少しずつ食べる

一度にたくさん食べてしまうと食べたものが逆流してしまい、吐き気や胸焼けの原因になってしまいます。なるべく少量ずつ、回数を増やして対応しましょう。

食事はよく噛んで消化を助けてあげると、胃の中で停滞している時間を減らすことができます。

消化の良いものを食べる

消化にいい食べ物

食物繊維が多いものや揚げ物などの脂っこいものは胃の中で留まる時間が長く、胃もたれを起こしてしまうのでなるべく避けましょう。ご飯は軟飯にするかお粥、うどんやパンも柔らかく煮ると胃に優しいです。

ジャガイモや大根、卵、豆腐などは消化が良く栄養価も高い食べ物なので積極的に摂ると良いです。食材はなるべく細かく切り、温かい状態で食べると消化を助けてくれます。

梅干しや香辛料、冷たいものなど刺激になるものは避ける方がよいでしょう。

胃の粘膜を保護するものを食べる

胃の粘膜を保護するもの、大豆

温かい牛乳は胃の粘膜を保護してくれる役割があります。またネバネバ食品に含まれる成分は胃酸から胃粘膜を守ってくれるといわれているので、おくらや納豆、モロヘイヤなどを積極的に摂るとよいでしょう。

食後の工夫をする

食べづわりガムや飴

食後はすぐに横にならないようにします。食後にすぐに横になると食べた物が逆流しやすく吐き気や胸焼けを悪化させてしまうからです。

胃酸で胸焼けがひどい場合は、ガムを噛んだり飴を舐めたりすると唾液で中和されて楽になることがあります。

ストレスを溜めない

妊娠後期吐き気ストレス溜めないアロマ

ストレスが溜まると過剰に胃酸が分泌され吐き気や胸焼けの原因となってしまいます。妊娠後期になり体が重くなることでストレスも溜まりがちですが、1日1回でもリラックスできる時間をつくりましょう。

お風呂はシャワーではなく湯船に入ることで浮力がかかり、体が楽になりリラックスできます。入浴時にグレープフルーツなど柑橘系のアロマを風呂桶に垂らすと心地よい匂いで緊張をほぐしてくれます。

妊娠後期の吐き気が強いとき

妊娠後期吐き気

妊娠後期の吐き気や胸焼けはよくあるマタニティトラブルですが、症状が続く場合や強い場合は異常のサインかも知れないので病院で相談しましょう。

また、妊娠中でも服用できる薬もあるので合わせて相談してみるとよいでしょう。

妊娠後期の吐き気は臨月に入り、赤ちゃんが少し骨盤内に下りてくると楽になることが多いです。しばらくの間はうまく対処して乗り越えていきましょう。

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助産師/商品開発パートナー
浅井貴子
■資格・免許
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
■専門分野
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士
にしだかなこ
■資格・免許
管理栄養士・幼児食アドバイザー
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メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
心理カウンセラー
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■資格・免許
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
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心理カウンセラー
産婦人科医
牛丸敬祥
■資格・免許
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
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産婦人科医

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