【助産師監修】深層心理がわかる?アートセラピーで子どもの心を読み解こう!
2015.11.07
AMOMA編集部
妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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子どもの深層心理って気になりませんか?簡単なアートセラピーで、子どもの心境やストレスなどを知るきっかけにもなります。もしかしたら子育てのヒントが隠れているかも?今回は、誰でも簡単にできるアートセラピーをご紹介します。
アートセラピー(芸術療法)って?
学校や心理臨床、カウンセリングの現場など、様々な場面で用いられる心理療法の一つです。絵画や粘土などの作品を作ることで言葉にできない気持ちを表現したり、作る過程での楽しさや面白さを学んだりします。
また、作った作品を読み解くことで、普段気づいかないようなストレスや心境を知るヒントにも繋がります。
誰でも簡単!アートセラピーをやってみよう!!
これからご紹介するのはアートセラピーの一つ、「S-HTPテスト」と呼ばれるものです。難しく聞こえますが、「システマティック・ハウス・ツリー・パーソン」の略で、名前の通り紙に家、木、人の3つの絵を描くというものです。想像する面白さや表現する楽しさや大切に、進めていきましょう。
<用意するもの>
・12色入り以上のクレヨン
・紙
バランス感覚も見るテストではありますが、バランス感覚は10歳前後から身につくと言われています。幼児と行う場合は、筆圧やカラーに注目し、横書きで初めてみましょう。飽きてくる子もいるので目安時間はだいたい20~30分前後が理想です。
アートセラピーのポイント
子どもの感覚やイメージは独特で、大人が思いつかないようなアイディアがたくさんあり、物事の見方やとらえ方は、本当に不思議なものです。スムーズに子どもの考えや気持ちに寄り添うことができるよう、アートセラピーの2つのポイントをお伝えします。
ポイント1. 固定観念を捨てる
アートセラピーは上手く書き上げることが目的ではありません。「目の色は黒でしょ?」「こんな右手だけ大きい人はいないよ」など、固定概念や一般的な考えを押し付けず本人の自由に描いてもらいましょう。
アートセラピーはあくまでも表現することが大切なので、表現したものに対して肯定的な態度で接することが大切です。
ポイント2. 子どもの気持ちを尊重する
家、木、人の3点を書くということ以外に決まりがない分、なかなか書き出しにくい子どももいます。その場合も、助言などは避け「〇〇ちゃんの好きに描いていいよ!」と温かく見守りましょう。
ごくまれにですが気分がのらなかったりなどで気持ちが乱れる子もいますので、描きたがらなかったら無理には行わず、「じゃあまた今度にしようか!」など声掛けをしてまた別の日などにしましょう。
読み解きをしてみよう
全体の読み解きをしてみよう!
まず、色味や絵の雰囲気を見てみましょう。この時はまだ読み解くのではなく、「明るい絵だな~」「暗い絵よりかな」「細かく描けた絵」など、全体的なイメージや特徴を掴みます。最初の印象を大切にしながら、次は筆圧や線、構造を見てみましょう。
筆圧は、内面的なエネルギーを表しています。筆圧が強いほど活発的で精力などを表しているとされています。次に線は気持ちの表れです。線が力強いほど自己主張を表しているとされています。また、左を起点として上昇形(ポジティブ)か、または下降形(ネガティブ)かなどの考えも知ることができます。崖や穴や雷、滝も下降形の意味を表しています。
細部の読み解きをしよう!
<家>
家は住む拠点なので、絵を描いた人の環境や居場所の理想を表しています。紙に対して家の大きさが3分の1より大きければ、おうちが心地良くて少し内向的な傾向があります。また社交性を表す窓やドアがあると社交的な傾向があります。
ただ、ドアがあったとしても描かれている人が出入りできる大きさなのか、窓も人が顔を出せる大きさかによって社交性は異なります。
<木>
木は内面的な自分です。大きく書かれていれば自信家、普通程度なら協調性のある人、小さい木は心配性な人や萎縮している人が多いです。また丁寧に描かれていれば、繊細な性格の表れということも読み取れます。
<人>
最後に人です。人は意識的な自己像だったり、周りの環境の人物を描かれていることが多いです。必ずしもではありませんが、口の大きいお母さんの絵の意味はよく笑うお母さん像だったり、逆にしつけの厳しいお母さん像だったり、色々な意味を持つ可能性があります。
お父さんがお仕事で忙しかったり、子どもとの時間を過ごせていないと周りに対してお父さんだけが小さかったりします。また、描かれた人物のポジションも、子ども自身が信頼していたり安心感を与えてくれる人などを近くに描いたりします。
子どもが描いているものに対して、「これは誰かな?」「何をしているところなの?」「何歳くらいの子ども?」と尋ねながら、子どもの表現したいことを理解できるようにするといいですね。
これらの指標は絶対的なものではありませんが、簡単なアートセラピーを通して子どもと少しでも距離を縮められたり、子どもをより理解するきっかけになれば幸いです。ぜひ試してみてくださいね。
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看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
産婦人科医
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