【助産師監修】妊婦さんの夏バテ!原因と対策方法
2018.07.13
AMOMA編集部
妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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妊婦中は妊娠前と比べて体温が上がるので、夏は厳しい季節ですよね。また、体温が上がることで妊婦さんは夏バテになりやすくなっています。
今回は妊婦さんの夏バテの症状と対策をご紹介します。
夏バテの症状
倦怠感・疲労感
夏バテの代表的な症状は、全身の倦怠感と疲労感です。なんとなく体がだるく、疲れが取れにくい日が続きます。
妊婦さんは普段から、妊娠によってホルモンバランスが変化して体調や気分が不安定になっているので、夏バテの症状を見落としがちです。
夏場の体調不良はすべて妊娠によるものと決めつけず、夏バテも疑いましょう。
食欲不振
自律神経の乱れによって、消化器の機能も低下し、食欲不振に陥ります。身体に必要なエネルギーやビタミンが不足することで、倦怠感・疲労感・無気力が増幅します。
これらの症状はつわりとよく似ていますね。夏場に入って突然食欲が全体的に落ちてきたな…と感じたら夏バテを疑いましょう。
夏バテの原因
自律神経の乱れ
体温調節は自律神経の働きによって行われています。夏場、室外から冷房の入った室内に入った時に、身体はすぐには気温の変化についていけません。
温度が下がったことに気づいた自律神経は、あわてて体温調整をしようとしますが、これを一日に何度も繰り返すと 自律神経自体が疲れてしまい、無気力や疲労感に繋がってしまいます。
ずっと冷房の効きすぎた部屋にいるのもよくありません。職場がそのような環境の時はストールや簡易式カイロなどで温める事も必要です。
水分不足
体温が上がると、身体は熱を放出するために「汗」をかきます。そのためには、元となる「水」が必要です。
うまく汗をかいて体の中から熱を放出しないと、体が高温に保たれてしまい、人間の体は不調をきたしてしまいます。症状がひどいと、熱中症につながることがあります。
妊婦さんの夏バテ対策
十分な水分補給を
お母さんと赤ちゃんにとって、妊娠中の水分摂取はとても大切です。妊娠中は血液の循環量が増え、身体の水分量が妊娠前の40%増加するからです。また、羊水の中で育つ赤ちゃんは体の水分量が90%に達します。
夏場は汗・寝汗もかきやすくなっています。こまめに水分補給と適度な塩分補給を行いましょう。水分補給は最低でも1日2ℓを目安にしてください。
妊婦さんのなかには、妊娠中はカフェインが気になって水ばかり飲んでいる…とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
妊婦さん専用のハーブティーやたんぽぽコーヒーなど、ノンカフェインの飲み物を生活に取り入れてみましょう。
「妊婦さんにおすすめ!妊娠中の飲み物」を参考にしてみてくださいね。
食生活を見直す
夏バテを予防するために、日ごろから栄養価の高い食材を摂りましょう。以下の食材は夏バテ対策に効果的です。
自立神経を整える食材
ビタミンB群は疲れやストレスで失われてしまいます。レバー・納豆・味噌・豚肉など、ビタミンBを多く含む食材を摂りましょう。
柑橘類・トマト
柑橘類やトマトはビタミンCを多く含み、疲労回復に効果的です。また、さっぱりしているので、夏バテで食欲が落ちている時にもオススメです。
暑さに負けない体づくり
内ももをほぐす
夏バテの原因の一つであるクーラーの冷えは、冷房の効いた部屋に長時間いることで身体が冷え切ってしまい、お腹の中の赤ちゃんにもよくありません。
内ももの筋肉をほぐすことで、全身の血流がよくなり特に下半身(子宮)が温かくなるといわれています。
妊婦さんではない人も、夏場クーラーを効かせていると肩こりや頭痛がしてきます。これは冷房病といわれている症状です。
内もも踏み
内もも踏みは冷房病の対策にも効果があり、その他PCの使用による眼精疲労、腰痛など下半身の血流がよくなるので、全身状態がよくなってきます。
妊婦さんへの効果としては、逆子が治りやすい・切迫早産の予防・緊張性の腹緊の軽減・冷え性の改善・足の浮腫・体調がよくなる・胎動がよくわかるようになる、などの効果があります。
男性やOLさんにもオススメです。
【内もも踏みの方法】
1. まずは、始める前に体を温めておきましょう。入浴後やフットバス後などがおススメです。
2. 固めの床(畳がおススメ、フローリングならラグなどを敷いて)で行います。
3. 腹帯を付けている人は外してシムス位をとりましょう、上のひざ下にクッションなどを置くと楽です。
4. 旦那さんなどに、内ももの付け根から膝に向かって、土踏まず全体で5秒位かけてゆっくり押してもらいましょう。あまり強く踏まないように注意してください。
※ひざの裏は踏まないように注意しましょう
5. 踏まれるときに、受ける側は息を吐きます。両者の呼吸合わせが重要です。
6. 片方7~8分、両足で15分くらい踏んでもらうと、体がじんわり温まってきます。
『三陰交』を温める
内ももには、「肝経」「腎経」「脾経」という三つの経絡が走っています。その三つが合わさる、くるぶしより少し上のツボを「三陰交」といいます。
三陰交は女性のツボともいわれ、妊娠~産後にも大変重要な役割を果たします。
前述した三つの経絡は、子宮に繋がっているので、そこの通りをよくしておくと、子宮も柔らかくなり、赤ちゃんも居心地がよくなります。
三陰交を刺激することで、子宮周辺の冷えが改善されてお腹の中の赤ちゃんが動きやすくなり、逆子も治るともいわれています。なるべく三陰交を温めておくようなフットケアがとても大切です。
夏場でも裸足は避け、三陰交のつぼを隠す長さの五本指のソックス、クーラーや扇風機で足が冷えてしまったらフットバスをするなど、日々の心がけを大切にしましょう。
いかがでしたか。夏場は妊婦さんにとって辛い時期だと思いますが、上手に対策をして乗り越えましょう。
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看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
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