【助産師監修】赤ちゃん返りをする上の子への対処法
2018.11.16
AMOMA編集部
妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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新しい家族が増えて、今まで以上に家事・育児にてんてこ舞いの毎日。そんな時にお母さん達を悩ませるのが上の子の赤ちゃん返り。
かまってほしいからだと分かっていても、ついイライラして叱ってしまい自己嫌悪…。なんて経験はないでしょうか。
そんなお母さんに、上の子の赤ちゃん返りの原因と対処法をお伝えします!
赤ちゃん返りの症状
赤ちゃん返りをおこす上の子は、お母さんやお父さんの愛情を確認したいという気持ちが、とても強くなっています。
今まで独り占めにしてきた愛情を、妹や弟にとられてしまう不安や嫉妬から、親の関心を引くために様々な行動を起こします。
以下の行動が上の子に増えてきていると感じた場合は、上の子への接し方を変えてみると良いでしょう。
- 今までできていたことをしなくなる
- わざと困らせるようなことをしてくる
- 癇癪をおこしやすい
- 夜泣きが増えた
- 抱っこなどのスキンシップを以前より求めてくる
- 赤ちゃん言葉を話すようになる
- トイレトレーニングが後戻りする
赤ちゃん返り対処法
褒める
赤ちゃん返りをおこす時、上の子はお母さんにかまってほしい・愛情を確認したい、という欲求が高まっています。
「よくがんばったね。」「お母さん〇〇ちゃん大好き。」など、今まで以上に言葉にして上の子を褒めてあげましょう。
また、抱きしめたり頭をなでであげたりして、スキンシップを取りながら褒めてあげると、より情緒が安定します。
その他にも、お姉ちゃんお兄ちゃんにおむつを捨ててもらう、ガーゼを持ってきてもらうなど、小さい事でも役割を与えてみてください。
それが出来た時に褒めてあげると自尊心の成長につながります。家族で新しい命をはぐくむ大切さがきっとわかるでしょう。
上の子をなるべく優先する
二人目の子どもができると、どうしてもそのお世話に関心が向きがちです。そんなお母さんの態度に上の子は嫉妬や不安を覚えてしまい、赤ちゃん返りにつながります。
意識的に上の子を優先するようにしてフォローしましょう。また、「お兄ちゃんだから」「お姉ちゃんだから」といった言葉で上の子を区別しないようにすることも大切です。
たくさん触れ合う
人と人とが触れ合うときにオキシトシンというホルモンが分泌されます。オキシトシンは別名「愛情ホルモン」。相手への愛情や信頼感をうみだし、情緒を安定させる効果があります。
お母さんと十分なスキンシップを取ることは、赤ちゃん返りで情緒が不安定になっている上の子にとってとても効果的です。たくさん触れてあげましょう。
オキシトシンには体内のストレスホルモンを抑える効果もあるので、お母さんの家事や育児のイライラも緩和してくれます。
キッズマッサージでスキンシップ
乳児期は自然と行えていたスキンシップも、成長とともに意識的に行わなければ難しくなってくるものです。そこでオススメなのが、キッズマッサージです。
上の子を抱きしめながら背中などをオイルでマッサージしてあげてください。マッサージを行うことで血行が促進され、意外と乾燥しがちなお子さまの肌の保湿にもなります。
お母さんと触れ合うだけで子どもはとても安心します。今日の出来事を話しながら行うと良いでしょう。お風呂上りに、膝の上に抱っこしながら行うのもおすすめです。
キッズマッサージをオススメしたい時
赤ちゃん返りの時期に加えて、子どもの情緒が不安定になりがちな以下の時期や、成長期にもキッズマッサージをオススメします。
■新しい集団生活(保育園・幼稚園・小学校など)に入る時
■転居など新しい環境へ変わる時
■夜なかなか寝付けない時
■身長が伸びる時の成長痛(膝、肘、背骨など)
キッズマッサージの方法
以下の方法でマッサージしてみてくださいね。
■背中や肩、首のマッサージ
1.背中の上から下にかけてゆっくりマッサージ。
2.くるくると背中に円を描きながら下に向かってリンパを流すように。
3.肩から腕にかけて優しく包み込むように。
4.子どもでもなりやすい首こり。上下にさすって優しくマッサージ。
■胸とお腹のマッサージ
1.ストレスで呼吸が浅いときや、新しい環境で緊張している時に胸のまわりのリンパを流すように。
2.「の」の字マッサージ。手のひらで圧をかけないようにゆっくりとマッサージ。便秘やガスがたまっているときにオススメです。
3.胸から骨盤まで腸骨リンパにそって優しくさすりましょう。
■腕と足のマッサージ
1.たっぷりとオイルをつけて包み込むように指先から肩にかけてゆっくりマッサージ。
2.くるくると優しく円を描くように。
3.足の甲からすね、ふとももにかけて少し強めにリンパにそってマッサージ。運動をする前のマッサージにもオススメ。
4.踵からつま先にかけて。足の後ろから前にむかって。ひざ裏からおしりにかけて少し強めにマッサージ。
赤ちゃん返りは上の子からお母さんへの大事なサイン。1日5分~10分だけでも良いので、上の子と2人で過ごす時間をとって、肌と肌で触れ合ってみましょう。
きっと上の子もお母さんも、気持ちが満たされるはずです。
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看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
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