【助産師監修】産後の腰痛の原因・対策は?痛みが取れるストレッチとは?
2017.10.30
AMOMA編集部
妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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産後の腰痛は、ほとんどの方が悩まれたことがあるのではないでしょうか。特にもともと腰痛があった方や、2人目、3人目の育児をされている方などは、産後に腰痛がひどくなる方が多いようです。
育児に追われ、自分の腰痛対策がなかなかできず、腰痛が慢性化している方もいます。今回は、産後におこりやすい腰痛の原因と対策、腰痛に良いストレッチについてお話しします。
産後の腰痛の原因
妊娠中からの影響
妊娠中は、赤ちゃんが産道をスムーズに通るために、妊娠初期からホルモンの影響を受けて、骨盤や筋肉、関節が緩んだ状態になっています。
また、大きくせり出したお腹を支えるために、いわゆる反り腰の状態になり、腰や背中に負担がかかった状態になっています。
これらの理由から、妊娠中に腰痛を訴える方が多いのですが、妊娠中に受けた腰へのダメージは、産後すぐに治るわけではありません。
赤ちゃんを産んだ後も、きちんとケアしないと妊娠中からの腰痛を長引かせてしまうのです。
分娩時の影響
分娩中は、約3kgの赤ちゃんの体に合わせて、骨盤やじん帯、関節がさらに開いて分娩に対応します。
赤ちゃんの大きさと、妊婦さんの骨盤の大きさのバランスが悪いと、負担がさらに大きくなり、骨盤が歪んで開いてしまうこともあります。
分娩直後にすぐに立つなど、腰に負担をかけてしまうと、腰痛が悪化してしまう可能性もあります。
育児の影響
育児中は忙しくて、妊娠中や分娩中に負担がかかった腰を休ませる時間がなく、腰痛を悪化させてしまう方が多いです。
特に産褥期といわれる産後1ヶ月に、しっかり休めなかった場合や、赤ちゃんの沐浴をママが担当している場合、上の子も面倒も見ているなどという場合はさらに腰痛を慢性化させてしまいます。
メンテナンスの時間がない
腰痛の自覚症状があるにもかかわらず、産後に、腰痛の治療や骨盤のメンテナンスにいく時間がないことも腰痛を悪化させている原因です。
育児で時間がないことや、赤ちゃんを預かってくれる人がいないなどの理由から、腰痛を放置してしまう方が多いです。
そうすると、痛めた腰をかばうように、また無理な姿勢をするので、腰痛がさらに悪化してしまうのです。
産後の腰痛対策1
骨盤ベルトの活用、動きすぎに注意
妊娠中に緩んだ関節やじん帯は、産後すぐに戻るわけではありません。元に戻るまで最低でも3ヶ月はかかるので、その間は姿勢や動きすぎに注意が必要です。
特によくない姿勢は、足を組む、女の子座り、同じ姿勢を続ける、自転車に乗るなどです。
また、腰をかがめて赤ちゃんを持ち上げる、寝た状態から一気に起き上がるなど、腰に負担をかけるような動きもよくありません。
対策は、腰痛がある間、特に産後3ヶ月は骨盤ベルトをつけ、何かを持ち上げる、起き上がるときは段階的におこなって一度に動作をしないことです。
座るときは椅子に深く腰掛け、床に座るときはクッションをお尻の下に入れるようにします。
さらに、休息を十分に取り、動きすぎないようにしましょう。骨盤が緩んでいる間に動きすぎると歪んだままで固まってしまう場合があるからです。
産後の腰痛対策2
骨盤体操、腹筋を鍛える
産後すぐからできる骨盤体操は、産褥体操です。入院していた病院のパンフレットにも、産褥体操は載っているので参考にしてみましょう。
産後の腰痛が改善してきたら、今度は再び腰痛がおこらないよう、腹筋を鍛え妊娠中や分娩中にゆるんだ筋肉を元に戻してあげます。
【腰痛予防の腹筋の方法】
1. 膝をついて四つんばいになる
2. 右手を肩より上にして、前に伸ばす
3. 左足をお尻より上にして、後ろに伸ばす
4. 2と3の姿勢を30秒キープする
5. 両手足を変えて同じようにする
6. 両手足を1セットとして3セットおこないます。
痛みが治らない場合は病院へ
産後、いつまで経っても痛みが治まらない場合は、病院や整体へいきましょう。接骨院などで骨盤矯正を受け、治療を受けるようにします。
骨盤は、自然に良くならなかった場合、自力で治すことはできません。専門医にみてもらうことが大切です。
産後は無理をしないこと
産後は、どうしても無理をしてしまいがちです。腰痛もひどければ動けませんが、日によって楽な日があると、病院へ行かず無理をしてしまう人も多いです。
でも、産後に無理をすると、更年期になってから、腰痛が悪化したり、次の子の妊娠時には早期から腰痛が出たりします。
家族のためにも自分のためにも、産後はスローペースで、十分に休息を取ることを心がけましょう。
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看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
産婦人科医
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